2021年9月27日月曜日

~和菓子の世界~  

☆ 歴史に育まれた「和菓子」

世界中には、様々なお菓子があります。日本の代表的な「和菓子」は味わいだけではなく、その美しい見た目に至るまで日本人の豊かで繊細な感性から賞される芸術品(伝統の芸術)です。和菓子は、安土・桃山時代に茶の湯文化と共に広がり、江戸時代になると、更なる発展を遂げたと云われています。みやびやかな京菓子、武家や庶民に親しまれる江戸菓子、また各地の往来が盛んになり、ご当地の銘菓などが次々と誕生しました。其々の職人たちが“技に”“菓銘に”と知恵を絞りだし、多種多様な和菓子が作られ、現在も連綿と受け継がれています。

☆五感で楽しむ「和菓子」

和菓子は、見た目の美しさ、味、手触りや舌触り、そして香りと、銘です。和菓子には洋菓子のようにいかにも食欲をそそるような匂いはありませんが、米や小豆、ニッキや生姜やハッカなど、とてもほのかで繊細な香りがやさしさを感じさせます。また、聴覚にうったえるのは実際の音ではなく、その菓銘です。主に練り切りなどの意匠につけられ、花鳥風月・和歌・俳句・地域の歴史や名所に由来があります。そして、菓銘を聴くことで、より一層味わい深く楽しむことができます。五感で楽しむことができる和菓子は、今もその美しい姿で私たちの生活に寄り添っています。

是非、ご家庭で「和菓子の世界」を楽しんでみて下さい。

2021年8月12日木曜日

“神様”が守ってくれる~「安産御守」のお話~

皆さまもご承知のことと思いますが、御守とは、“神様の神霊(みたま)を宿したもの”です。

御守といえば、かわいい巾着型という印象がありますが、近頃は御守も多様化しており、ストラップ型や、カード型など、神社やお寺でユニークなものを見かけることも多くなりました。しかし当社の安産御守「御子守帯(みすずおび)」は、水天宮の安産信仰の由来となった生成りの腹帯で、戌の日の早朝、宮司自らがご祈祷を行い、安産のご神徳を込めた御守そのものです。

参拝者様より「安産御守だけ下さい」と言われます…が、「安産御守=御子守帯一式」・「安産御守=小布御守一式」のどちらかしかございません。

神様にお守りいただくのですから、なるべく肌身離さず大切に扱ってください。帯を身に着けることができない時は、投げてしまうのではなく、大切に保管しましょう。そして、巾着型の御守や福戌御守をお身近にもち、過ごしましょう。

御子守帯は、無事出産が終わったら、赤ちゃんの肌着や沐浴用のハンカチやスタイなどに作りかえることができます。お母さまを守っていただいた後は、お子様の無事成長を願う気持ちも込めて、是非使っていただくことを勧めています。

※必ず出産後にハサミを入れましょう。お願い事が成就する前の御守にハサミを入れることになってしまいます。

常に感謝の気持ちをもって御守を身につけていただくと、より神様を近くに感じながら毎日を過ごすことができるのではないでしょうか。

2021年7月2日金曜日

おうちで神様とつながろう!

 現在、水天宮ではご祈祷の際、祈願主様へ「幣串(へいぐし)」をお授けしております。掲載写真のように幣串をお持ちいただき、日頃の感謝の気持ちやご自身のお願い事を幣串に込めます。ご自宅に持ち帰った後は、御神札(木札)と共にお祀りいただきます。

 
「幣串」とは、木などに白い紙垂(しで)を挟んだ御幣(ごへい)・幣帛(へいはく)のことで、神様への捧げものであるのと同時に、神様が宿る依り代としての役割もあります。
同じように、榊(さかき)の枝に紙垂をつけた「玉串」も神様へお供えするもので、こちらのほうが神社でのご祈祷ではよくみるかたちです。しかし、昨今のコロナ禍の状況で衛生面などを考慮し、皆様にはお持ち帰りいただける「幣串」をご用意している次第です。

【御神札と幣串の祀りかた】

御神札の手前に幣串をたてて、おまつりします。神棚があれば神棚に、無ければタンスや本棚の上など目線より高い位置におまつりください。

おうちの中の聖域として、常にきれいな環境を保ち、お米やお塩やお水をお供えしてみましょう。ご自宅にいながら、御神札を通して、水天宮の大神様とつながることができますよ。

2021年6月9日水曜日

神秘の塩パワー

塩は、人が生きていく上で“必要不可欠なミネラル”です。岩塩がほとんど取れない日本では、昔から海水を塩田で天日干しにしたり、煮詰めたりして塩を作っていました。いずれも大変な手間と時間がかかる作業であり、とても貴重な品でした。

塩には洗浄力や殺菌作用・防腐作用もあるため、多くの恵をもたらす海から作り出される塩は、日本人にとって単なる食料ではなく“神聖な力”があるとされてきました。

神社では毎日ご神前に、お米と水とともに必ず塩もお供えします。

記紀神話では、黄泉の国から逃げ帰った伊奘諾尊が自らの体に付いた穢れを祓うために海水で禊(みそぎ)を行ったと記されています。神社において、祭礼時のお祓いでも、塩水を榊の葉で振りかけてお清めする塩湯(えんとう)というものが行われます。また、相撲では邪気を祓うために土俵に塩を撒きますね。これは力士が取組中にケガをしたときに塩の効果で消毒するためともいわれています。

☆ご神前にお供えした“お塩”は、皆様へおわけしております。

現代では、塩分過多が成人病の原因であると悪者にされることもある塩ですが、これからの暑い季節は、熱中症を防ぐためにも塩分摂取は大事です。また、食中毒の予防にも塩は活躍します。皆さんも塩を活用して、これからの季節を乗り越えましょう!

*「夏越の大祓」のご案内*

境内にて人形(ひとがた)をお分けしております。人形には、お名前と年齢(数え年)を書いて体をなでて 息を吹きかけ、罪穢れをうつしましょう。

知らず知らずのうちについた半年間の罪穢れを祓い清め、夏を迎える準備を致しましょう。

※人形初穂料:百円  630日の神事で皆さまの人形をお祓いいたします。

2021年5月10日月曜日

思いたったが吉日!

新型コロナウィルス感染症の影響により、神社のお参りの仕方も変わりつつあります。 当社でも、昨年より皆様が安心で安全に参拝できるよう様々な感染対策を講じ、ご参拝の皆様をお迎えしております。令和時代の「新たな生活様式」のなかでの “新しいお参りのかたち”が行われております。
♪いつお参りしようかな♪ 
 皆様は何を基準にお参りの日を決めますか。 大安?戌の日?特にお祝い事を行うのに、日柄を気になさる方は多いですが、実は神道と六曜はあまり関係ございません。 皆様が気になさる六曜は、元々、中国発祥の時刻を用いた吉凶占いのひとつで、鎌倉時代末期から室町時代にかけて、日本へ伝えられたと云われております。現在のような「先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口」として定まったのは明治に入って、西洋の太陽暦が使われ始めてからです。そして、私たちの生活の中で“日の吉凶”として広く取り入れられるようになったのは、実は戦後からです。 

 ♪思い立ったが吉日♪
 ご祈祷で奏上される祝詞の中に「今日を生く日の足る日と選び定めて…」という言葉があります。物事が生き生きとして栄え、 満ち足りた日と選んで…という意味です。 どの日、どの時間にお参りいただいても、皆さまの心に決めたご参拝日が神様とのご縁を結ぶ良き日なのです。 なるべく混雑しない日時を選ぶのも、新しい生活様式の中では重要です。 また、参拝ができない方のための郵送でのご祈祷もうけたまわっております。ソーシャルディスタンスを保ちながら、皆様の安心安全な参拝をお手伝いできれば幸いです。

 1日も早く新型コロナウルイス感染症が終息すると共に、皆様のご健康をお祈り致します。

2021年3月29日月曜日

絵馬に願いをこめて☆

まもなく4月。東京では桜も満開です。
当社では、「安産絵馬」・「福絵馬」・「寳生辨財天絵馬」の3種類の絵馬をお分かちしています。これらは、「飾り絵馬」といって、持ち帰ってお願い事を書き、家にお飾りいただきます。 絵馬は神社の絵馬掛けなどに奉納するのでは?と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。 昔は絵馬ではなく、生きた馬が神社に奉納されていました。日本では古くから馬が神の乗り物として神聖視され、神馬(しんめ)と呼ばれ、祭祀や祈願の際に奉納し神の降臨を願っていたのです。しかし祭祀の度に生きた馬を奉納するのは容易ではありません。次第に木や土で作った馬型に変わり、これが後に板に馬を描いた「絵馬」として変遷していったとされています。奈良時代には既に絵馬の奉納習俗があり、鎌倉時代以降から様々な図像が描かれ始め、江戸時代になると人々の願いが反映された現在の絵馬の形になります。また、神社でいただいた絵馬を縁起物として持ち帰るという風習もできました。 このコロナ禍にあっても、新しい季節はめぐってきます。皆さん一人ひとりが希望を持ち、この難局を乗り越えていきたいですね。

2021年2月28日日曜日

火の神様から水の神様が!?

 いよいよ明日から「弥生」ですね。

さて、当社の境内には、高尾神社という末社がございます。

高尾神社は雨を司る神様を祀っています。

神話の中で、イザナミはカグツチ(火の神)を産む時にやけどしたことで亡くなってしまいます。妻の死を悲しみ、激怒したイザナギは原因となったカグツチを斬りあやめてしまいます。斬られた際に噴き出したカグツチの身体からは、岩石、水、雨、雷、山などの神々が生まれました。

さて、この時に生まれた雨の神は、古事記ではオカミノカミ(淤加美神)、日本書紀ではタカオカミノカミ(高龗神)と記されています。オカミとは“龍”の古称で龍神とされています。農耕社会である日本においては、祈雨や止雨を司る神は古くから重要視され、奈良の丹生川上神社や京都の貴船神社は水の神として朝廷より特別な奉幣を賜っていたことで知られています。

タカオカミノカミを祀る神社は全国にいくつかあり、当社の高尾神社もそのひとつと云われております。

高尾神社へご参拝
3月4日には、高尾神社の御祭がございます。(職員のみの参列で行います)

水天宮へお参りの際には、ぜひ高尾神社にもお参りし、近年のゲリラ豪雨や雨不足などの異常気象が収まるよう、一緒にお祈りいたしましょう。