2020年2月15日土曜日

鳥居のおはなし

神社にお参りする際、最初に目にするのは鳥居です。地図でも神社を表す記号として用いられ、神社を象徴するものでもあります。
そんな鳥居には、神様を祀る神聖な場所(神域)と、私たちの住む世界(俗界)とを分ける、結界の役割があります。神社の中には、本殿を持たず山などの自然物をご神体や依代としてお祀りしているところもあります。その前にたてられた鳥居により、神様のご存在が示されます。
鳥居の由来には諸説ありますが、『古事記』には、天照大御神が天岩戸に御隠れになった際に、八百万の神々が長鳴鳥(ながなきどり)いわゆるニワトリを木に止まらせて、お出ましを願ったことが記されています。この時の止まり木から、鳥居と呼ばれるようになったという説です。他にも「通り入る」が訛(なま)ったとするものや、外国からの渡来説などもあります。
鳥居は神社によって様々な種類があり、大きく分けると神明系と明神系に分けられます。水天宮のように鳥居上部の横柱が一直線になっているのが「神明鳥居」。横柱の両側が上向きに反っているのが「明神鳥居」です。他にも両部鳥居や三輪鳥居といった少し変わった鳥居もあり、大きさも様々です。
ところで、神社では「二拝二拍手一拝」のお作法でお参りしますが、他にもいくつかの決まった作法があることはご存知でしょうか。鳥居をくぐる際、一礼するのも作法のひとつ。そして参道は正中(真ん中)を通らずに、なるべく左右どちらかを歩きましょう。
手水舎で手と口を清め、俗世から神域へと進み、心静かに神様と向き合い、日々の感謝とお願い事をお伝えしましょう。神社にお参りするときには、ぜひ鳥居の形や参拝の作法を意識してお参りしてみてくださいね。