吹く風もすっかり夏めいてまいりましたね。
さて、今回は「掻敷(かいしき)」についてお話致します。
「掻敷(かいしき)」とは、「皆敷」とも書き、もともと神様にお供え物をする時、地面に置かないように下に敷いていた葉っぱのことで、その時期の植物の葉を使うことによって季節感を表現してきました。
今は紙に変わって、神社ではご神前に供物を捧げる際、この「掻敷」を敷くのですが、折り方には決まりがあり、上へ向くのが吉で縁起が良いということから右手前が上向きになるように折り返します。
三方(さんぽう)という台の上に掻敷を敷きます。
こういった細やかな作法にも相手を敬い慮る気持ちが込められているのですね。
私たちも、こうした先人達が残してきた日本の美しい美徳を伝えていくためにも、一つ一つの作法に込められた想いを感じながら日々の奉仕に励みたいと思います。