2021年1月1日金曜日

令和三年辛丑(かのとうし)の年

 新たな年を迎え、皆様におかれましては、益々ご清祥の御事とお慶び申し上げます。

 本年は辛丑(かのとうし)の年でございます。「辛」は同音の「新」につながり、新しい世代が生まれようとする状態を表すといわれております。そして「丑」には絡む(からむ)という意味があり、芽が種子の中で絡み結ばれる状態を表します。すなわち、意志を固め、地道に突き進むことで新たな発見があり、進展していく年となるでしょう。

さて昨年より、新型コロナウィルス感染が拡大し、私たちの生活様式が一変しております。人との距離を一定に保つこと、マスクの着用、三密の回避など、一人一人が意識を持ち、行動することが必要となっております。当社でも、社殿及び建物内にお入りいただく人数を制限し、ご参拝者様を案内する等、感染症対策を行っております。神社として古き良き伝統を守りつつ、新たな取り組みを講じ、これからもご参拝の皆様が安心且つ安全にお参りできるよう努めて参りたいと存じます。

 また本年は、久留米藩(福岡県久留米市)初代藩主有馬豊氏公が久留米の地へ入城し四百年という節目の年を迎えます。慶長五年(一六〇〇)の関ヶ原合戦で有馬豊氏公は徳川家康公が率いる東軍に属し、勝利をあげます。その後、慶長十九 年(一六一四)の大坂冬の陣、翌年の夏の陣に徳川家側として参加し、戦功をあげ元和七年(一六二一)に筑後一国二十一万石を与えられ、久留米城に入ります。爾来、明治維新にいたる約二百五十年の間、有馬家は幕藩体制のもと、水天宮の大神様の御神徳をいただき、久留米藩を治めておりました。

 私たちは歴史が育んできた知恵とその地の良き文化を知り、未来の子供たちへそして次世代へとつなげていく役割を担っています。今後とも水天宮職員一同、全身全霊を傾注(けいちゅう)して、神明奉仕に励んで参ります。

本年も、ご参拝の皆様方の益々のご多幸とご健勝をお祈り申し上げ、新年の御挨拶とさせて頂きます。

令和三年一月一日

                              有馬頼央