神社の社殿には大きく長いしめ縄が張られています。そこに垂れている白い紙を「紙垂(しで)」といい、神聖な場所を表す目印です。風もないのに紙垂が揺れるのは、神様が歓迎しているなどといわれることもあります。紙垂は神聖な物にも付けられ、お正月に飾るお供え餅や神様に捧げる玉串、そして、お祓いに使う大麻(おおぬさ)という祭具には、棒から沢山の紙垂がつけられています。
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※お祓い時の写真(大麻をもっています) |
稲妻の形をしている紙垂は、白い紙を交互に切り裂くことによって「無限大の神威」を象徴しているといわれます。また、稲作とも関係があるといわれ、昔から、雷の多い年は豊作になるという言い伝えがあります。稲が花をつけ実り始める頃、雨と雷が多いことから、古代の人々は神様が雷光となり稲を実らせると考え、稲のツマ(古代は夫も妻もツマといい配偶者の意味)として信じられていたのです。
数年前、この稲の豊作と稲妻の関係が科学的に証明されたということが話題になりました。雷の放電により、田の水の中に肥料となる窒素の量が増えるそうです。古代の人々が稲の実りと雷が関係することを知っていたのは本当に驚きですね。
コロナウイルス感染症の影響もあり、いつから普段通りの生活に戻れるのか不安な日々を過ごしていることと思います。少しでも早く収束し、皆さまが安心してご参拝にいらっしゃれるよう願っております。