2019年9月15日日曜日

~おすべらかし~「髪は女の命」其の弐

「髪は女の命」其の弐~おすべらかし~です。
現在の宮中行事や婚礼の正装時に結われる「おすべらかし」は大垂髪・垂髪とも表記され、江戸時代に登場します。京都の庶民の間で流行していた「灯籠鬢(とうろうびん)」という結い方を取り入れたといわれています。「つとうら」という型紙を髪の中に入れて左右に大きく張り出した、お雛様でおなじみの髪形です。前髪の丸かもじに、釵子という金具や櫛を付けたとても華やかな「お大」、櫛などの飾りは付けない「お中」また童女の髪形の「わらわ」など、いくつかの種類があります。「お大」は五衣・唐衣・裳のいわゆる十二単の正装時に用いる髪形です。神事では心葉(こころば)という造花を付け、日陰の糸(ひかげのいと)という白い紐を垂らします。
おすべらかし「お大」
また明治になると、より簡単に結える垂髻(ときさげ)が考案され、高等の女性官吏や官吏の妻が宮中に参内する時の礼装である袿袴姿の髪形とされました。これは現在、女性神職の規定の髪形となっています。
10月22日には即位礼がございます。皆様もテレビなどで目にする機会があると思いますので、是非装束とともに髪形にも注目してみてくださいね。