現在の宮中行事や婚礼の正装時に結われる「おすべらかし」は大垂髪・垂髪とも表記され、江戸時代に登場します。京都の庶民の間で流行していた「灯籠鬢(とうろうびん)」という結い方を取り入れたといわれています。「つとうら」という型紙を髪の中に入れて左右に大きく張り出した、お雛様でおなじみの髪形です。前髪の丸かもじに、釵子という金具や櫛を付けたとても華やかな「お大」、櫛などの飾りは付けない「お中」また童女の髪形の「わらわ」など、いくつかの種類があります。「お大」は五衣・唐衣・裳のいわゆる十二単の正装時に用いる髪形です。神事では心葉(こころば)という造花を付け、日陰の糸(ひかげのいと)という白い紐を垂らします。
おすべらかし「お大」 |
10月22日には即位礼がございます。皆様もテレビなどで目にする機会があると思いますので、是非装束とともに髪形にも注目してみてくださいね。