2012年3月14日水曜日

祈り

平成24年3月11日14時46分、私たちが決して忘れることができない、この節目の日に、いつにも増して多くの方々が東日本大震災復興祈願祭にご参列くださいました。

皆様と共に、復興への祈りを届ける事ができたのではないでしょうか。

このところ天気が悪く、寒い日が続いていましたが、この日は日差しが眩しいくらいでした。温かな気温と気持ちの中、心をひとつになれたこと、これも神様のおはからいかと思わずにはいられない一日となりました。


 東日本大震災復興祈願祭後の宮司挨拶
復興祈願祭後に挨拶を行う宮司 
3月11日・暦は啓蟄「けいちつ」を過ぎましたが、被災地は寒さや雪でおおわれております。  
相変わらず私たちは、確たる方向性を見いだせず右往左往している現状に手をこまねいております。 
しかしながら、「被災地の未来を」、「子供たちの未来を」、私たちはあきらめるわけには参りません。たまたま被災をまぬがれた私たちにできうる事を現地のご要望にそった形で日々努めてまいることを、いま一度被災当時の光景に思いを致し、それぞれが新たな気持ちで歩んでまいりますことを、ご神前でお誓い申し上げたいと存じます。 
右側に大きな木の写真があります。岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」は報道により、承知の通りですが、海岸から3キロ内陸の気仙川沿いに今泉天満宮があり、その境内に樹齢800年といわれる一本杉が津波に耐えて立っています。これがその一本杉です。 
社殿を始め、氏子さん約500世帯の民家が流されてしまいました。
今、復興のシンボルとして「一本杉」のもとには、子供図書館がつくられ、約2600冊の蔵書とともに、地元の子供たちの居場所になっています。
この上は、この御神木とともにご社殿造営がかないます事、祈念してやみません。 
日本人は今までなにをするにも、神の道にかなっているか進む道を照らし給えと祈り、のちに結果を報告し感謝する。これが、いにしえより続いている行動です。 
「まず感謝」という先人達の教えはつらい日常をいかにつとめていくかという知恵にほかなりません。感謝することにより更に願いがかなっていくと思います。 
自分の立場を感謝し、ひたすらに打ち込むことが復興につながります。
日本は何度も災難にあって参りましたが、一度もくじけたことはありません。
時間はかかりますが、皆様が自分の立場をまっとうしたからこそ、神様が力を与えて復興に導いてくださるからです。

私たち神職は、天皇陛下の、御心のもと皆様の健康を願い、国の発展をひたすら祈ります。 
どうか皆様、感謝のことば「ありがとう」という笑顔になれる一番力がある言葉を絶やすことなく、被災地に同じ「ありがとう」があることを祈念し、日々をお過ごしください。 
今後の皆様のますますのご活躍を願っております。
皆様、ご参列ありがとうございました。