2018年4月15日日曜日

天之産(あめのむすび)


「千早振るかみの宮居に引く注連のなかくひさしき御代いのるなり」   


この歌は、久留米藩10代藩主有馬賴永(よりとう)公の奥方として、薩摩藩主島津家から嫁がれた有馬晴姫のお歌です。
神様のいらっしゃるお宮に張りめぐらされた長い注連縄のように平安な世が永く続きますように…という歌意です。藩邸内にあった水天宮の大神様への敬神の念を詠まれたと伝えられています。
現在、この和歌には曲と舞がつけられ、神楽「天之産」として奉祝祭の際、御神前に奉納されます。
神道において、「産霊(むすび)」とはすべてのものを「生み」、「生かし」、「育て」、「伸ばす」根源の力とされています。当社は、子授け・安産のみならず様々な思いを抱いている皆様が参拝にいらっしゃいます。水天宮の大神様の広大無辺の御神徳、そして産霊のお力をいただかれますよう、お祈り申し上げます。
晴姫様の「平和な世の中を願う思い」はいつの時代も同じです。私たち一人ひとりが生かし生かされているありがたさに感謝し、日々笑顔で過ごしていきたいですね。